K:世間でよく飛び交う言葉があるでしょう、教育やしつけや運命という。これが一人ひとりの人間に付いて回っています。そういったものがくっつく前の状態です。それが、なつかしい顔です。
Ch:グループ中に色々なエクササイズをやったり座ったりしながら、そういう【なつかしい】顔が•••
K:出て来るし、また皆さんもたくさん目撃することになるでしょうね。
Ch:【なつかしい】を意識して続けていると、顔自体っていうものが変わってくると思うんです。普段の顔ですけど、これについては。
K:それはですね、日常のよくある光景を思い出してみて下さい。たとえば皆さんが、どこかの大きな駅の前で待ち合わせをしているとします。『おおい、こっちこっち』とか『やあ、久しぶり』なんて言って手を振って、知ってる人が待ち合わせをすれば必ず会うんですよ、よっぽど時間やら場所が違わない限り。これを皆さん不思議に思わないかなあ。だって、みんな目は水平についてるんですよ。右目と左目の間なんて、まあ2センチか広くて3センチ、狭くて1.5センチ。それをどんな遠くからでも、『あ、友だちだ』とか、『あ、おふくろだ』とか、恋人だとかね。恋人の鼻が左の後頭部についてるとか、耳が4個あるとかじゃなくても、一瞬にしてわかるわけでしょう。これは大変な事でしてね。ほとんどミリ単位でしか個人差がないのに見極めてしまう。この事は正に【なつかしい】のヒントになってるんですけど、すべての人に見極める力が最初から備わっているという事ですよ。
【なつかしい】のワークの最大の特徴は、家に持ち帰って自分でもやれるということです。セミナーで出会った経験に思いを馳せることもワークなんです。電車に乗っていても、ワークに参加していた時のその表情になっていきます。なぜならば、皆さんが【なつかしい】のワークで目撃するのは人の顔であり、パートナーの顔であり、自分の顔なんですが、それこそが正に思い出している表情なんですよ、本来の自分を。後日、そのワークを思い出しさえすれば、瞬時にまたその表情になるんです。その表情に思いを馳せる時に、その表情が出ます。あなたの表情に、【なつかしい】のワークを受けていない人は少し戸惑うかもしれませんね。もしくは、その表情に気がつかない人がいるかもしれません。
気がつかない、気がつくという言葉の背景には、いわゆる普通の教育が生み出すプレッシャーやストレスを感じながらの生活があります。よく耳にする、『人間は社会的動物だ』という状態が続くと人は、【なつかしい】の表情に気がつかないんです。ただし、その人の心の奥底では気がついていますよ。でも困った事に、気がついている事に気がついていない。要するに気がついている事を確認することが、なかなかできない。『あの人、何ニコニコしてるんだろう』とか『何か思い出しているのかなあ』じゃなくて、『あ、あの表情だ!』って、そうなってくると素敵ですよね。
さて、【なつかしい】セミナーが終わって皆さんは帰っていきます。そこで、実験してみて下さい。鏡の前に立って、しばらくそのまま鏡を眺めながら、この三日間のワークを思い出してみるんです。どうも化粧室に行くと身構えてしまってダメな人は、手鏡でも持ってソファーでもO.Kですよ。もちろん、ベッドに横になっても。とにかく、自分にとって一番好ましい状態でワークを思い出す。思いを馳せる。目を閉じてもいいでしょう。さて、目を開けると•••。手鏡や化粧室の鏡に写っているその表情こそが、【なつかしい】顔です。その表情はとても平和です。とても温かいし、満ち満ちています。どなたも、その表情を見ることになります。
幸か不幸か、今の社会はビジュアルになりました。大きな建物を見て『お金持ちかなあ』とか、『あの人、背が高いわ!』とかね。だったら、そのビジュアルさを大いに活用して、鏡の前に立って【なつかしい】の表情をするんです。そうすると今度はその表情によって【なつかしい】状態をいつも持ち歩けるようになります。だんだんやっていくうちに、そう、鏡がなくてもその表情をすることによって、『あ、そうだったんだあ』とか、『あれ?今、出来事が来てるぞ』って一瞬で理解しますよ。そこでその出来事たちに挨拶するんです。『ハーイ』や『ハロー』とか、『一緒に行こうぜ』っていうふうに。『出来事が来るんだ』じゃないんです。『出来事は来るな』じゃないんです。出来事と私は一緒ということに気がつくでしょう。ただしこれは、説得することじゃない。ワークを受ければ『こんなに簡単だってのか』と、うれしくなってきますよ。
でもね、まだまだ世界の多くの人は『世の中ってのは、簡単じゃないぞ』って、勘違いしてるんですね。勘違いさせられたのは無理もないとは思います。だって、皆さんがこの世に生まれて来た初期の段階から、すでにこの世ではすごいトリックが始まっていますから。人生や世の中を、厳しく困難なものだと思い込ませられてきましたからね。それも世界レベルでね。はっきり言いますよ。簡単なんです、ものすごく簡単なんです、この世とあなたの関係を知るということは。
~~~以上でインタビュー終了~~~