人物連鎖 ②

まず、一番目の事件。
【進路妨害】【逆恨み】【あおり運転】そして【制止しない】
以上の内の三つは容疑者本人の行為と心理です。中でも心理は見えにくいものといわれていますが、まったく見えない訳ではありません。その時の行為に、その心理が出るからです。身体言語、ボディーランゲージです。

【逆恨み】という心理。この事件の場合、サービスエリアの駐車場の通路に車を停めた容疑者の心理、そこが最初の注目点です。駐車スペースは満車だったのか、空いている所はレストラン等の施設まで遠かったのか、とにかく容疑者は通路に駐車しています。
彼はこの時、他の車のことは考えなかったのか?
いや、考えたはずです。なぜなら他の車が停まっている場所こそ駐車場だからです。
ただし、彼にとっての他の車とは、自分の都合で【あおり運転】や【進路妨害】でねじ伏せることができるものなのでした。過去に三度の経験をつんでいますから。

ところで、もしもあなたが容疑者の車に同乗していたらどうでしょうか。まずは彼をたしなめるでしょう。
「ここは停める場所じゃないよ」
「他の車が通れないよ」
と、制止したはずです。
「人に怒られたりするのイヤだから」
という人もいるでしょう。
ところが実際は、容疑者の同乗の女性は彼をたしなめなかった。これが二番目の注目点です。
彼女は彼を【制止しない】のです。その後も彼女は【制止しない】のです。容疑者が【あおり運転】【進路妨害】をした時も。それどころか、容疑者と一緒になって車を降りて被害者に食ってかかっている。被害者の襟首をつかんで車外へ引きずり下ろす容疑者を、彼女は【制止しない】のです。

それではこの事件の場合、一人も容疑者を《制止》する人間はいなかったのか。いいえ、一人だけ存在していました。被害者(夫)です。
駐車スペースの通路にまさに最初の【進路妨害】の駐車をした容疑者。
「それはいけない。他の車が困る」
と、被害者は容疑者に注意した。迷惑行為をやめるようにと、たしなめたのです。
「いけないことだよ」
と、容疑者の行為を修正するべく《制止》したのでした。

【逆恨み】とは辞書を引くまでもなく、人の好意を悪くとってかえって恨むことです。
容疑者は、修正できたかもしれない自分の行為を正当化するために、この時も【逆恨み】し始めたのです。運転だけに限ってみても、容疑者は過去に三度の【逆恨み】をしています。
「それは良くないことだよ」と教えてくれている好意を、悪くとってかえって恨み始めたのは、容疑者が何歳の時だったのでしょうか?その時、どんな人物が彼のまわりにいたのでしょうか?
親、兄弟、姉妹、親戚。近所の人。保育園や学校の先生、友だち。仲間。
道ですれ違う人、交通機関で乗り合わせた人、出かけた先にいた人。

何人の人物が容疑者の心を訪れたのでしょうか。もしくは、訪れなかったのでしょうか。特に人格形成に重大な影響を及ぼす幼児期(生後一歳から満六歳頃まで)の容疑者は、どのような毎日を過ごしたのでしょうか。
~続く~

人物連鎖

高速道路で【進路妨害】をして夫婦を死なせる。遺された二人の子供たちもケガ。
先日の報道です。
事件の経緯は、高速道路サービスエリアの通路駐車を注意されたことを【逆恨み】した容疑者が、1.4kmも被害者家族、親子四人の乗ったワゴン車を執拗に追いかけ【あおり運転】をくり返した。
さらにワゴン車の前に自分の車を止め、無理に追越し車線に停車をさせた。そして容疑者は同乗の女性と車を降り、ワゴン車の夫婦を無理やり引きずり降ろした。そこへ後続のトラックがワゴン車に追突、夫婦は事故に巻き込まれた。一部始終はケガをした子供たちが見ていた。
取り調べで容疑者は過去にも三度も同じような【あおり運転】と【進路妨害】を起こしていた事がわかった。

容疑者は、間違いを指摘されると【逆恨み】をしてしまう。しかも過去に何度も。
容疑者の連れの女性は、彼を【制止しない】。それどころか被害者に食ってかかっている。これは一体どういう事なのだろう?

 
川崎の【通り魔事件】の犯人が11年振りに判明。報道によると、別件の【通り魔事件】で服役中の犯人が最近になって川崎の事件をほのめかす文書を提出した。
その後の供述によると、事件当夜に犯人は車で何度も現場の高架下トンネルを往復、【襲う】女性を探した。他に通行人がいない事を確認した後、女性を刃物で殺害した。
犯人は服役中の件とこの事件以外に、もう1件【通り魔事件】に係わっている疑い。

犯人は「刃物で刺された女性が【苦しむ顔】が見たかった」と供述。
犯人は犯行をくり返した。
犯人には妻と幼い子供二人がいる。
これは一体どういう事なのだろう?

 
また、別のニュースでは次のように報道されました。
吉祥寺の横断歩道に【高齢ドライバー】(85才)の乗用車が突っ込み、子供を含む7人がケガ。幸いにも命に別状はなかった。警察は道路交通法違反の現行犯として、ドライバーをその場で逮捕。本人は「ブレーキとアクセルを踏み間違えたかどうか、よく覚えていない」と。事故直後の現場付近での通行人は「また高齢者⁉︎」と顔を曇らす。

事故を起こした高齢者の彼は、最近の高齢ドライバー事故の多発を知っていたはず。
おそらく彼は、家族や周りの人から運転をあきらめるような事を言われていたはず。
彼本人も、そろそろ運転免許証の返納を考えていたはず。
それとも彼は「同年齢の者より自分は若い、【自分は違う】んだ」と思っていたのか。
これは一体どういう事なのだろう?

社会を騒然とさせる事故や事件が、今までも、今も続いています。これからも続くのでしょうか。いや誰だって、そうは思いたくないし、そうなりたくないはずです。
事件、事故の後にしばしば口にされる言葉に、
「なんの罪もない人が犠牲になった」
「行きずりの人が巻き込まれた」
本当にその通りです。ただ歩いていただけなのに、たまたまそこにいただけなのに。

こういった事件•事故を防ぐこと、減らすことが今後できるのか。できるとしたら、その方法とは何なのか。それを知るためには、事件•事故がどうやって起きたかを正確に精確に、まさに精査することが必要です。
犯人は精神に異常をきたしている!
容疑者は人格が不健全だ!
高齢者は判断力が衰える!
このように表現してしまうだけだと、事件•事故の本当の原因を見つけるチャンスを逃してしまいます。

それでは、原因を探っていく前に【 】で囲った言葉をもう一度ここで確認してみます。
【進路妨害】【逆恨み】【あおり運転】【制止しない】【通り魔事件】【襲う】【苦しむ顔】【高齢ドライバー】【自分は違う】