街で見かけた放才能

【放才能】と呼ぶイベントを始めて47回目が12月2日(水)でした。2011年3月11日以来、福島第一原子力発電所から[それなり]の放射能が漏れ続けて4年9ケ月が経ちました。この[それなり]の線量とは、来日した外国人が量ったのと日本国が量った場合とでは[それなり]に違うという事です。立場が違うと、数まで違ってくるんですね。

この放射能の射を、才という字にして【放才能】。才能を放つイベントにしたのが2012年1月、第一回クラブアップル(野生のリンゴという意味)でした。池袋にあるライブハウス鈴ん小屋(りんごや)で毎月第一水曜日にやっています。誰でも参加費を払えば出られます。金額は700円ですが1ドリンク付きなので気楽なもんです。野生のリンゴ達よ、鈴ん小屋に集まって才能を放て!といった催しです。つまり、オープン・マイクといって、約5分間で好きなことをやっていいイベントです。何かやらなきゃという義務はありません。誰かがやるのを眺めている人もいます。見てたら何だかムズムズしてきて、エイッとステージに立つ人もいます。

才能の放ち方は多彩で、歌、紙芝居、料理、ダンス、殺陣、獅子舞、バグパイプ、お囃子、成り切り(形態模写)、スピーチ(辛辣な事を英語で)、プレゼン(この世に)、早口言葉などなど。アコースティックギターもピアノもドラムも常備してあるので、手ぶらで来れます。昆野さんも既に3回、この世にプレゼンしています。

ここで、街で見かけた【放才能】を紹介します。11月21日の土曜日の午後、ある小さな展覧会でのこと。産まれて間もない赤ちゃんを抱いたお母さんがいました。そこへやって来たのが3才ぐらいの女の子、おばあちゃんと外で遊んでいたんでしょうね。お母さんと再会がうれしくてピョンピョン跳ねたあと、今度は子供用のパイプ椅子にすわるやオシリでピョンピョン跳ね始めました。このイスはクッションがキュッキュッと音のする仕組みなので、画廊の静けさの中ではけっこう響きました。
「そのお椅子は今はやめようね」と優しい声でお母さん。
その子は人が多いのがうれしいのか、キュッキュッを続けます。
「そうしなくても皆さんが、カワイイって見てくれてるよ」
女の子は、私を入れて8人ほどの客の微笑みを見回すと、おしまいにお母さんを見てロッピン(絵師タカムの聴いた、人がニッと笑う時の音⁉️)して立ち上がりました。そのお母さんは小林煌(こばやし こう)さん、版画家です。今《いのちは光》という木版画展を開催していました。なんともほのぼのなのです。
ギャラリー恕庵(じょあん)03-3990-0559 練馬区中村1-13-20
11:00~18:00 お休み:月・火

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