時間の本当

好きな事をしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。時計を見てビックリすることもあります。不思議なのは、同じ時計なのに嫌いな事や苦手な事をしていると時間がなかなか過ぎてくれません。これは一体、何故なのでしょう?その解釈は数多くあるようです。

集中すると、時間なんか気にならないから。
いや、時間の伸び縮みは実在している。
好きな事って中身が濃いから、時間もたっぷり使ったはずと錯覚する。
そんな事を考える方が、よっぽど退屈で時間の無駄使いになる。

他の解釈もあるでしょう。もちろん上記の解釈は正しいし、アインシュタインも一役を担っています。ただ、ここでは翻訳を試みます。まず、皆さんに呼びかけたいのは、あなたの幼いころの様子を思い出してみてということです。その際に、強力に手伝ってくれるのが『子供が孤独(ひとり)でいる時間(とき)』[こぐま社刊]という本です。興味のある方は是非。

記憶として最初に出てくるのは、何歳ぐらいのころですか。よおく思い出して欲しいんです。その時の景色や気温や服装、日中なのか、夜か朝か。ほかに誰かいたのか、あなた一人なのか。ゆっくり時間をかけてOKです。これを毎日やっていると、しだいに意外な事を思い出してきます。もしくは、一気に思い出すこともあります。しかも、何か別のことをやっている時に。これは、ちょっとした驚きですよ。

いかがですか?会って直に話を聞きたいです。きっと皆さん一人ひとり違ったことを思い出したことでしょう。でも、その中にはどなたにも共通していることがあるんです。それはその当時、何ごとも比べるということをしていなかったということです。すべてが新しい体験だったわけですからね。実はここが大事なポイントです。注意深く観察する必要があります。

今の皆さんの実年齢でも、日々のすべてが新しい体験のはずなのに、なかなかそうは思えません。私を含みます。[同じような]経験を重ねてきたという思い込みがあるからです。[同じような]と[同じ]は違います。ところが私たちは、似たような経験をすることで、前々回、前回、今回を比べて、似たところを探して次の機会に活かすという特徴を持っています。それを、進化のひとつと表現することもできるでしょう。

進化に良いも悪いもないのですが、私たちの淡い時間が失われていくことは事実です。幼いころには誰でも持っていた、薄い淡い時間。それが本来の時間なのだと知っている【純粋時間】は、人間のエゴを回収することを始めます。 ~次回へ~

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