音のいる場所を凝視する

ツートーンカラーという和製英語があります。辞書で調べると、意味はもちろんのこと、実に興味深いことが書いてありました。以下、そのまま転載しますね。
同系または互いに調和する二色を並べて彩ること。また、そのように配色されたもの。【英語は単にtwo-tone(d)】
以上で記述は終わっているんですが、それではどこが和製英語かというと、カラー(色.色彩.特色)という単語を加えているからーなんです。

では、モノトーン[monotone]はというと
① 単調.一本調子.
②《音》単音.単調音.
③《美》単色画.

そして、トーン[tone]になると
① 音色.音調:音.
② 語調.口調.論調
あとは⑦項目まで、色合いとか明暗など視覚的な意味合いの記述が続きます。
こうなってくると、前に読んでいただいた『ガットギターのガットからガッツ石松は腸石松』の時とソックリの感覚がよみがえってきませんか?あの時、洋の東西を問わずと書きましたが、英語でも音という単語には、まるで色のように、見る、観る、という視覚的な感じが強いんです。

では、音のいる場所とはどこでしょう?凝視して、その場所を探してみましょう。それには、まず音たちの特徴を思い出す必要があります。
たとえば犬笛です。
私たち人間には聴こえない音なのに、犬たちはスグに反応します。
たとえば自動車です。
ストップ寸前の超低速の車に乗り合わせたときには、当然エンジンの音は低くなりますが、何だか気持ち悪くなることがあります。
どちらも私たち人間の可聴域を超えている、高周波や低周波の音です。ヒトの可聴域は、年齢差や個人差はありますが、だいたい16ヘルツから20キロヘルツあたりです。

松本清張の小説に『砂の器』という傑作があります。映画『砂の器』も原作を凌駕するほどの出来ばえでした。実はこのストーリーに、大きく音が関係しています。どう関係しているのかは、まだ御覧になっていない方のために詳細には述べません。何しろ、推理物ですから。

本題に戻りますね。音のいる場所でしたね。話を整理しますと、その場所とは次の三ヶ所です。過去と現在と未来です。昨日と今日と明日です。何だぁ!ソレは⁉️と声が聞こえて、いや、音が聴こえてきそうです。でも今は話を先へ進めます。イルカの鳴き声やクジラの鳴き声はポプュラーになりましたが、正確には鳴き声というよりも会話だと認識されています。では、象の鳴き声はどうでしょう。この場合もやっぱり会話や言語と見た方がいいようです。

ドキュメンタリー映画『地球交響曲第一番』(龍村仁監督)の中で、象たちが私たちに重要なことを教えてくれるシーンがあります。鳴き声では届かないほど遠くの仲間との連絡に、なんと彼らはテレパシーを使うんです。象たちのテレパシーの方法は、低周波を利用していました。

次回は、今回の続きです。過去、現在、未来の中の音を追跡します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です