純粋時間

核爆発とは、原子核分裂のことです。原子爆弾や水素爆弾が炸裂することです。一瞬よりも短い時間、瞬間たちを掻き集めて互いに衝突させて「あとは知らん」の無責任の極致のことです。薄い時間、淡い時間など何のその、濃厚な時間が世界を覆い始めます。生命は全て、それぞれ〈違った日〉に誕生し淡い時間を過ごしていくはずです。それが自然なのに、核爆発は全ての生命を〈同じ日〉どころか、〈同時〉に失わせます。

その悲惨さを表すのには、このスペースでは足りないので他の書物に譲ります。ここでは、時間の仕組みについて精査していくことにします。一気に多くの生命を奪い、一度に広い場所を壊してしまう行為とは、そもそも何が原因になっているのでしょうか?私はそれはエゴだと言いました。そのエゴは、ヒトと出会う前は【時間】の中にいて、もともとは【火】だったとも言いました。

人間の脳の同居人になったエゴにとって、濃い時間こそが『便利』なのです。【火】の極致の核兵器、【時間】を一気に使う核爆発。相手を怖がらせることで、自分の要求を迫ることが可能になったと錯覚させる『便利』なもの、武器。既出のリズ•ブルボーの定義、〈エゴイスト〉とは、他の人に対し、その人のニーズよりも、まず自分のニーズを満たしてくれと要求する人。

さて、濃い時間はその後どうなるのでしょう?さらに濃くなって粘度が増して、濃い時間そのものの身動きが取れなくなります。そうして世界は硬直していきます。つまり人も景色も、表情がなくなります。ただし、ここから少しずつですけど様子が違ってきます。本来は淡い時間たったものを、人間のエゴで濃くさせられた時間ですから、時間そのものが人間にニーズを迫り始めます。本来の時間、淡い時間に戻せと。その、時間そのものを【純粋時間】と私は名付けます。 ~次回へ~

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